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本稿は1967年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)において発表されたが、その全文が本誌に掲載されるのは今回が初めてである。
意思決定のための6つの手順
意思決定する時には、数を多くしてはならない。重要なことに集中し、基本に返って数を絞るべきである。不変のものを見抜き、個々の問題解決についてではなく、戦略的、基本的なことについて考えなければならない。
そのため、意思決定の早さを重視してはならない。あまりに多くの変わりやすい事柄をこねくり回すことは、思考の欠如を表すだけである。何についての意思決定で、何を解決しようとしているかを知るべきである。そして、手段ではなくインパクトを、頭のよさではなく健全さを求めなければならない。
原則に基づくべきものと、それぞれの事情に基づくべきものとの峻別も求められる。重要なのは、正しい妥協と間違った妥協の違いを知ることだ。したがって、その見分け方を知らなければならない。
意思決定において最も時間を取られるのは、意思決定そのものではなく、意思決定を実行に移す段階である。現場の仕事のレベルに下ろさない限り、意思決定とはいえず、せいぜいよき意図で終わる。つまり、意思決定そのものは、高度の概念的な理解に関わるものであるのに対し、その実行のための行動は、それを実行する人々の能力に合わせたものでなくてはならないことを意味する。そして何よりも、意思決定には手順があることを知らなければならない。