ベストアンサー
このベストアンサーは投票で選ばれました
理由はただ一つです。 ◆手遅れだし◆ クマが地球上に現れる遥か以前に、南極大陸は歩いては渡れない所に移動してしまっています。陸生動物である以上、これではどうにもなりません。 大陸移動の経緯も交えつつ順を追って説明させていただくのが判り良いと思いますので、こちらのサイトを利用させていただきましょう。 http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/w-hakua.html サイトに入ると、まずは、「中生代・白亜紀」のページが開き、世界地図が表示されているはずです。 これは、恐竜全盛時代の後期に当たる白亜紀の大陸分布図です。 この時期で既に、南極大陸とオーストラリア大陸が他からは遠く離れて南の極辺りに移動してしまっているのが、お確かめいただけると思います。極地方に位置しながらも当時の南極は、まだ両生類でさえ生息できる厳しすぎない環境でした(*『南極』をクリックすると、当時の動物が確認できます)。 ついでに言うと、アフリカ大陸や南米大陸も北半球の大陸と切り離されています。 この白亜紀の末期に恐竜などの大型爬虫類が絶滅し、その後になってようやく哺乳類が爆発的に進化を進めるわけですが──、 「新生代・第三紀」のページに移り、地図をご覧ください。 南極大陸はオーストラリア大陸とも完全に分離し、その周囲を寒流だけが巡る環境が出来上がり、極寒の地と化してしまっています。この時までに“南極・オーストラリア(合同)大陸”に生息していた有袋類のうちの南極に居た者は寒さによって死に絶えました。 さぁ、ここで、北半球に目を移してください。 アジアとヨーロッパは地続きになっています。この地図では表されていませんが、海水面の下がる氷河期には北米大陸もアジアと繋がっており、それら3つの大地では、哺乳類のなかの最新型であり我々も属している「有胎盤類」が進化し、分布を広げています。 3つの大陸の項目のどこをクリックしても、「ヘミキオン」という動物が居るのが確認できましょう。これは現生クマの直接の祖先ではないものの、それに通じる進化の傍流にあった者です。 ここで、ご質問に絡めての大事なポイントを、ハッキリと視覚によってお確かめいただけたかと思います。 北半球でこの後に生まれてくるクマ達は、どのように頑張ろうとも南極に辿り着く道筋がありませんでした。現生のクマ達がそしてホッキョクグマが、地上に現れたのは、至極最近のことなのです(*『新生代・第四紀』と『現代』の確認推奨)。 なお、(アフリカ大陸がユーラシアと繋がった後に、)アフリカ全域に進出したクマ(アグリオテリウム.ほぼ肉食性)も過去には居ましたが、他の肉食獣(恐らくはハイエナの古代種『ペルクロクタ』、あるいは人間)との生存競争に敗れて姿を消しました(*UMA『ナンディ・ベア』として現生?)。因みに、史上最も南に生息したクマの仲間はこの「アグリオテリウム」(生息地最南端はアフリカ最南端)であり、現生では南米に生息する「メガネグマ」(生息域最南端はアルゼンチン北部)です。 ◆適応に関してはニッチが問題◆ さて、上述のように、ナンキョクグマ出現の可能性は初手から無かったわけですが、クマ類が南極地方に適応可能かどうかを考えてみることは許されるはずです。 まず、北極に比べての気温の低さですが、それ単独では問題とはなりません。餌の確保が上手くいき、適応するだけの生物学的時間が与えられるなら、生息可能であることは現生の動物が証明してくれています。生物の適応能力を考えるに当たって、現生種を上限とすることは理に適いません。形質的には、ベルクマンの法則に従って、ナンキョクグマはホッキョクグマより更に大型の種となるでしょう。 ただ、食糧が問題です。大問題です。南極という所は陸生肉食動物のニッチ(生態的地位)が実に貧弱です。安定的に狩れる獲物はペンギンくらいしか見当たらない(手頃なアザラシがそうそう都合よく陸地近くで休んでくれるとも思えませんし、“ミナゾウ”君なんて…デカ過ぎです;)上に、南氷洋の海生肉食獣であるヒョウアザラシやシャチと一部競合してしまいます。これらのことを論拠として、南極でクマ類が生息し続けるのは非常に困難であるとの結論に達します。
この回答はいかがでしたか? リアクションしてみよう
その他の回答(3件)
ID非表示さん
2007/6/15 0:03