引用元:hark3.com
2019年の日本・台湾合作
日本から台北に逃れて静かに暮らしているヤクザの島(豊川悦司)の元に、突然牧野(妻夫木聡)という男が日本から訪ねて来る
ぶしつけで馴れ馴れしい牧野に対して、島は取り合おうとしない
ところが牧野は「俺はアンタのことを知っているし、台湾に来た理由も知っている」と言う
そんな牧野も、ある事情を抱え命を狙われているらしく、島は組織から牧野を殺すように指示を受ける
ストーリーに期待というよりも、台湾の風景が観たくて選んだ作品
そういう点では映像の美しさ、迫力共に申し分なく、また坂本龍一の音楽もマッチしていて全体的な雰囲気だけで満足できた
欲を言えば、台湾に来ることになった経緯についてもう少し描いてくれたら、その後ふたりが違う町に移動する事情も理解できて(解明されない塩梅としても)脚本のバランスがとれたと思う
ストーリーの整合性が気になる方にはお勧めしないけれど、そこを我慢できれば映像や雰囲気を含めて楽しめる作品
本作を観ると、ジム・ジャームッシュやヴィム・ヴェンダースなどの作品で「(説明が少なくて)不愛想だなあ」と感じることがあっても、映画作品としてちゃんと成立していて不満を挟む余地がないのは、改めて力量のなせる業なのだなあ、と感心させられる
タイトルは「パラダイス・ナウ」を連想させる
明日は、悪事から足を洗おうとして成功した映画って無いな、と再確認する作品をご紹介