あなたはどの地図アプリを使いますか?
こんにちは.ジオ鹿です.
地理地図界隈の業界に迷い込んだ私は,ふと「自分の地図の使い方」と「一般の人の地図の使い方」に大きな乖離があるのではないかと感じるようになりました.
そこでTwitterで「ゆるふわ」な調査を行ってみました.
友達に「これってどう思う?」みたいな感じの聞き方です.
【ゆるーくお願い】
— ジオ鹿さん (@GeoDeer9215c) 2019年5月8日
みなさんが使っている地図アプリに関して聞きたいです。
・1番目に使う地図アプリ、2番目に使う地図アプリをあげてください
・それぞれ使う理由を教えてください
私の地図アプリの使い方があまりにも世離れしすぎているので、みなさんの使い分けを教えて欲しいです
このツイートは,日本地理学会をはじめ,多くの方に拡散していただいたおかげで,多くの方にレスポンスしていただいたりしました.
集まったツイートは「トゥギャッター」にまとめてありますので,興味がある方はぜひ見てみてください!
今回はその結果をまとめて,それぞれの地図アプリの特徴や一般的な使われ方をまとめていきたいと思います.
(5/31追記:「一般的」と表現しましたが,答えてくれた方の多くが私のフォロワーです.なのでサンプルに大きな偏りがあります.アンケート調査結果を見るというよりかは読み物としてお読みください!)
◯全体的に言えそうなこと
集計結果は以下の通りになりました.
皆さん,基本的には「Googleマップ」を使うようです.やはり便利ですもんね!
特に,地図リテラシーが低い人はGoogleマップだけで済ますという傾向が見えてきました.
一方で,地図リテラシーが高い人は,用途に応じて複数の地図アプリを使い分けているようです.
ここからは,皆さんの地図アプリの使い分けから見えてきた各地図アプリの特徴をまとめてみたいと思います.
◯やはり王者はGoogleマップ
皆さんは基本的にGoogleマップを用いて生活していることが見えてきました.
皆さんはどのように,そしてなぜ使っているのかについてまとめていきたいと思います.
やはりメインとなる機能は以下の2つが挙げられるでしょう.
・Google検索との連携の強さと圧倒的な情報量の多さ
・ルート検索が便利
ルート検索機能に付随して「道路渋滞状況」ができたりすることも特徴的です.
上記の機能が充実しすぎているが故に,このような意見も出てきました.
たしかに,これだけ機能が充実していたら,他の地図アプリという選択肢はなくなってしまうかもしれません.
特にAndroid端末だと,標準地図アプリがGoogleマップなので,それ以外の選択肢が思い浮かばないということも考えられそうです.
次に,Googleマップを少し使いこなせるようになると使う機能がこちら
・空中写真の閲覧
・ストリートビューの閲覧
これらの機能はかなり古くからある機能ですが,ここ5年くらいで精度や整備範囲が格段に広がりましたね.
特にストリートビューは実際の風景を写真で見るわけですから,現地に行かなくても「こういう雰囲気なんだな」といったことが見えてきます.
ツイートとは関係ありませんが,地理の研究者の方に聞いたところ,「Googleマップの航空写真は結構正確」とのことだったので,研究者が調査準備の段階で用いることもあるようです.
最後に,使う方は結構少ないと予想されるこの機能
・マイマップを用いて位置情報を記録する
機能としては「このお店とこのお店とこのお店美味しかったから地図上にまとめよう」という使い方をします.
マイマップは地点の情報を簡単に管理できるというところで評価されていると思われます.
一方で,Googleマップの欠点として出てきたのは
・ゼンリンのデータを使わなくなったので劣化した
・地図としては美しくない
Googleマップは「検索をして初めて情報に到達できる」という特徴を有しています.
逆に言えば「一覧性がない」と表現ができそうです.
たしかに,昭文社のマップルや他社製地図アプリと比較すると「パッと見たときに入ってくる情報量が少ない」ことが言えそうです.
検索結果を見やすくすることに特化した地図と言えるので,仕方がないことかもしれませんが,地図リテラシーが高い人は「物足りなさ」を感じるようです.
◯地形を見るなら「地理院地図」
地理院地図は「国土地理院」という国の役所が公開している地図です.
国の形や地形,何がどこにあるのかといった情報は国として知っておくべきですので,このような地図を国が作成しています.
地理院地図は「電子国土基本図」と定義されており,「国の基本図」であるとされています.
地理院地図自体はアプリケーションの提供はしていませんが,地理院地図を閲覧できるアプリケーションが数多くありますのでここで紹介していきたいと思います.
地理院地図の特徴は「地形が極めて正確に表現されていること」です.
地理の授業で「地形図の判読」などに取り組んだ方も多いと思いますが,この地形図がWeb上で閲覧ができるのです.
また,国土地理院は過去の時代を含めた全国の航空写真データを持っており,これを網羅的に閲覧することが可能になっています.
こういった正確な地形や過去の時代の様子を見るのには地理院地図は優れていると言えそうです.
回答していただいた皆さんも「地形と航空写真を見たい」という要望から見ている人が多いようです.
地形や航空写真の使い道として,皆さんが上げてくださったのは,以下の通りです
自分で作る色別標高図を用いて海水準変動を理解する
センター試験みたいでワクワクする
郷土史を調べる時の地形把握のため
趣味のサイクリングで土地の起伏を確認したいから
皆さん,かなりレベルが高い使い方をしているようですね.
現在の地理院地図はWeb版のみの提供となっていますが,地理院地図の情報を見ることができるアプリがいくつかあります.
・スーパー地形
・geographica
・Field access2
どのアプリも地理院地図を見ることができるほか,GPSロガーとしての役割を有しており,旅行の経路記録などに用いているようです.
スーパー地形はパソコンアプリの「カシミール」のアプリ版となっており,あのブラタモリでも使用されています.
簡単な地形解析やパノラマ展望が可能なので,断面図作成やあの山は見えるだろうか?といった要望に応えるアプリとなっています.
Field access2は地理院地図を背景に,現地調査に適したさまざまな機能を持つというところで実務でも活用されているようです.
しかしながら,App storeに最近表示されないんですよね...サービスをやめてしまったのでしょうか?
◯都市を詳細に見たい Mapion vs Yahoo!地図
Googleマップでは,都市域の地図をパッと見ただけでは何がどこにあるのかわからないのが欠点でした.
こういった課題を払拭しているのがMapion と Yahoo!MAPでしょう.
Googleマップの騒動以降,これらの地図アプリへ移行している人も多いようです.
今回,投票の結果かなり拮抗するものとなりましたが,わずかながらMapionに軍配があがりました.
それぞれの特徴を見ていきます.
◯とにかく見やすいMapion
Mapionの地図を使っているユーザーの声としてあげられたのは,以下の通りです.
街中において使いやすいから
道路の表現が見やすい
バス停の注記や境界線が見やすい
交差点名が分かりやすい
特に道路の表現が見やすいことによって,「宅配のバイトで助かった」といった声も頂きました.
また,色彩が見やすくて文字などが読みやすいことから,「都市の雰囲気を捉えるのに最適な地図」といえるでしょう.
アンケートとは関係がありませんが,このような声がネット上では上がっています.
地理人さんのYoutubeチャンネル地図式 https://t.co/4bLLl2WocQ を見るようになってから、google mapじゃなくて色分け地図が見れるものを使うようになった。写真はマピオンのキョリ測というアプリ。色分け地図だと街の雰囲気を想像しやすい。 pic.twitter.com/UrK4zXV7Uz
— ぴかーど (@msk_ncc1701d) 2019年5月19日
(私はマピオンの中の人ではないけど)結構うれしい
— 地理人(新刊「地図感覚」2刷) (@chi_ri_jin) 2019年5月19日
本題から少しずれてしまいますが,是非Mapionの魅力がどんどんわかるようになる動画「地図式」をご覧ください.
地理人さんが地図から都市を読み解く内容となっています.
◯ルート検索に優れたYahoo!MAP
Yahoo!MAPでは,現在地の把握,正確な道筋を確認するときといった「ナビゲーションの機能」として用いているようです.
また,検索エンジンのYahoo!の地図というところで,Yahoo!を用いる機会が多い人はYahoo!MAPを使うようです.
Yahoo!MAPでは,主に以下のように用いられています.
現在地の把握
目的地までの正確な道筋を把握する
また検索エンジンとしてYahoo!を用いている人にとっては,Yahoo!MAPを使う頻度が高いといえるでしょう.
〇自由に使える地図「オープンストリートマップ」
この項目は諸事情で一時的に削除いたします。
他にも様々な地図がありますが,すべてを紹介していたらキリがないので,ここまでにしましょう.
近日中に「ジオ鹿的おすすめ地図アプリ」に関してご紹介していきたいと思います.
ではでは~
【5/30追記】
※5月30日にジオ鹿的おすすめ地図アプリに関して記事を書きました.
deardee9215c.hatenablog.com