今回の温泉は2024年に訪れた鹿児島県指宿市の共同浴場「二月田温泉 殿様湯」です。
「二月田温泉 殿様湯」は「殿様湯」という名の通り、薩摩藩主の島津家が温泉別荘として利用していたことに由来し、現在の浴場は当時のものとは違うものの、浴場の裏手には天保2年、薩摩藩第27代藩主・島津斉興によって作られた「殿様湯跡」が残されています。明治時代以降に一般に開放され、現在の「二月田温泉 殿様湯」は昭和初期に開業し、現在に至ります。
二月田駅から徒歩約10分の川沿いに「二月田温泉 殿様湯」はあります。
川沿いを歩いていくと、看板が見えてきます。
看板に従い進んでいくと「殿様湯」の看板が掲げられた建物が出てきます。
建物は向かい合って2棟あり、奥側が湯屋、手前側の建物に受付があります。
2棟の建物の間には飲泉所があります。
受付がある建物に入りますが、誰もいないようで、何度か声掛けをしましたが、誰も出てこず。仕方なく台の上に入浴料を置いて湯屋へ。
入浴料:大人(中学生以上)400円 小学生100円 幼児50円
営業時間:7時~20時半(最終受付20時)
定休日:毎週金曜日
湯屋の男女の入り口の間には殿様湯の石碑があり、その上には「殿様湯跡の由来」や「薩摩藩・島津歴代藩主」が掲示されています。
歴史好きな方ならすべて言えるのでしょうか。島津家の歴代藩主の名を。
ちなみに私は1/3ぐらいしかわかりません。
湯屋の入り口の扉を開けると、レトロな脱衣所があります。
ちょうど誰もいなくて貸切状態!
脱衣所は広く、木造りの棚とベンチがあるだけの簡素なつくり。
鍵付きロッカーはありません。
いざ温泉へ!
浴室のガラス戸を開けると、そこには鄙びた雰囲気の渋い空間が広がっています。
中央に大人6~8人サイズの浴槽があるだけのシンプルなつくり。
とてもシンプルなのですが、それがカッコいい!
窓からは朝の光が差し込み、神々しさを感じます。
床は温泉成分によって、オレンジ色に染まっていて、温泉の濃さを感じられます。
お湯は一旦、浴槽横にある楕円形の枡に貯められ、浴槽に注がれています。
注がれたお湯は軽くオーバーフローしていきます。もちろん、源泉掛け流しの温泉。
家紋入りの温泉
浴槽には丸に十の字のマークが、言うまでもなく島津家の家紋です。
家紋が掲げられている温泉は珍しい!
十分に浴室を見学した後、いよいよ温泉へ。
まるで熱湯風呂!
掛湯をして温泉へ・・・と思ったのですが、お湯が激熱で、掛湯ですら厳しい状態。
浴室脇にあった湯かき棒でしばらくお湯を混ぜまくりますが、なかなか適温にはなりません。
温泉成分が薄くなるので、使いたくはなかったのですが、浴槽の隅にある蛇口をひねり、水を投入。水が注がれている付近は若干、温度が下がりますが、浴槽全体のお湯の温度は下がりません。
しばらくの間、水の投入と湯かき棒で格闘。
そして、やっと浸かれるぐらいの温度になってきた気がしたので、気合を入れて、お湯に体を沈めます。
上の方は何とか浸かれるぐらいの温度になりましたが、下の方はまだまだ熱い!
ゆっくり肩までお湯に浸かりますが・・・お湯の熱さが体にじんじんと伝わってきます。
お湯の熱さもありますが、温泉のパワーも強く感じられ、体に効きそうな温泉。
数分が限界。
一旦、温泉から出て、浴槽の横で休憩。そして、また温泉へ・・・。
これを数回繰り返し温泉を楽しみました。
お湯はやや青白っぽく、ややきしみを感じる浴感、ほのかに金気臭がする温泉。
泉質はナトリウムー塩化物泉
脱衣所から見た浴室。やっぱり渋い!
湯上がり後、受付のある建物に女将さんの姿を発見し、入浴料を置いて、温泉を利用したことを話し、その後、女将さんから「二月田温泉 殿様湯」の成り立ちや温泉のこと、島津家についてのお話を聞き、「殿様湯跡」を見学するように勧められたので、見学をしました。
市指定史跡 殿様湯跡へ
先述の通り、「殿様湯跡」は浴場の裏手にあります。
湯跡には風呂場の敷石や石造りの浴槽、当時貼られた浴室のタイルなどが残っていて、市の文化財に指定されています。
特に管理されている風でなく、野ざらし状態ですが、大昔にお殿様がこの温泉に浸かっていたことを想像すると、温泉って身分関係なく、老若男女問わず、楽しめる素晴らしいものだなと改めて感じました。
「二月田温泉 殿様湯」の近くの温泉
「二月田温泉 殿様湯」から徒歩約5~8分ぐらいで行けます。
交通アクセス
🚙指宿スカイライン・谷山ICから約55分
🅿20台(無料)