ペリカンが、いきなり目の前に降りてきたことがある。動物園内などではなく、そのへんの道端である。小学二年か三年くらいのことだったか、なにか小学校のイベントのために妹と二人で歩いていた。そのイベントがなんだったのか思い出せないが(どんど焼き? ゴミ拾い? とかそんな感じだったような)、とりあえずわたしたちは海に向かっていた。 それはもう本当に突然のことだった。驚く暇もなかったというか、今思えばとても自然に、わたしたちの目の前にペリカンが降り立った。静かな着地であった。まわりにはとくにだれもおらず、わたしたち姉妹とペリカンが、その場に立ち尽くしていた。 ペリカン。その姿ははっきり言って恐ろしいもので…