(10度目の母の命日に捧ぐ) 墓碑 その白にふれて 灼(や)けつくようなつめたさが 別れの日に そっとなでた あなたの顔の 静寂のようで 葬送 おかあさんも いつか しんじゃうの ちいさなてで すがりつくようにないた あのひ あきれたように わらった かあさんのかおは 白い花に囲まれて しずかに眠る 今も まだそこにあるようで もうそこにはないようで 呆(ほう)けたように 眺めていたら 泣くことも 忘れていた あぁ、そうだ かあさんは あのとき あきれるほど だきしめてきて そのぬくもりのなか ねむりに おちていったんだっけ 堰(せき)を切ったように あふれる涙が 棺を濡らせば いま あの日と…