板橋のサブテレニアンにて、Not in service公演『緑色のストッキング』(作・安部公房、演出・村岡正喜)を観てきた。 1月22日が安部の忌日(1993年)だから、三十三回忌の記念公演にあたる。しかも『緑色のストッキング』は1974年の初演以来、どこかで再演したという記録が見当たらない作品なので、今回の上演は50年ぶりの復活という貴重な機会となった。 なぜ50年も再演されなかったのか? それは、この作品が「安部公房スタジオ」の戯曲だからだろう。 安部戯曲では代表作の『友達』や『幽霊はここにいる』をはじめ、『どれい狩り』、『棒になった男』、『未必の故意』といった主に俳優座を対象とする新劇の…