元軍を迎え撃つ日本軍 日本史の中でも大きな転換点の一つが、13世紀に起きた「元寇」です。世界帝国を築いたモンゴル帝国が、日本に軍を送り込みました。しかし、2度にわたる遠征はいずれも失敗に終わります。よく「神風」と呼ばれる嵐が勝因とされていますが、それだけでは説明できません。実際には、軍事・地理・文化の違い、そして補給や輸送の難しさが複雑に絡み合っていました。今回は、元寇がなぜ敗れたのかを具体的に探ってみたいと思います。 1. 世界最強だったモンゴル軍がなぜ日本に来たのか 当時のモンゴル帝国は、東は中国から西はヨーロッパまでを支配する巨大帝国でした。その圧倒的な軍事力で数多くの国を征服してきまし…