4.0 誰に対しても「あんたがわたしを知ってるってだけで腹が立つ」と面責する老人が「あれ、おじさん昨日もパコのほっぺにさわったよね」に感化されて自省する、言わば不機嫌な老人が少女の純真に溶かされる話。極彩色で諧謔的だが完璧主義の中島哲也のコントロールで情味あるファンタジーになっている。この映画には老人が少女を殴るシーンがある。久しぶりに見てもそこはドキッとした。 2004年の下妻物語から嫌われ松子の一生、パコと魔法の絵本を経て告白へ至る中島哲也は所謂ライティングハイ状態だった。評点で言えば2年というインターバルで満点映画を4本つくった──という感じだった。 撮影現場には、厳しければクオリティが…