最近のGNU/Linux関連で興味深いものをいくつか。といっても、Ubuntuを使っているため、Ubuntu関係が多い。
もうすぐUbuntu 12.04がリリースされる。今回のリリースでは、Monoがインストールディスクから取り除かれる。もちろん、公式レポジトリからMonoは提供されるが、デフォルトではインストールされない。
これに伴い、Banshee(音楽再生ソフト)、Tomboy(メモ取りソフト)、GBrainy(論理パズルゲーム)もデフォルトインストールから取り除かれる。デフォルトで入る音楽再生ソフトは、BansheeからRhythmboxに置き換わる。Tomboyは、もし非monoな代替ソフトが欲しければ、Gnoteがある。GBrainyの直接の代替ソフトは思いつかない。なかなか面白いソフトである。IQテストに出てきそうな問題が多数含まれている。
もちろん、11.10や10.04からアップグレードする場合には、monoは削除されない。Ubuntuからmonoとmonoランタイムに依存するソフトをパージするには、以下のコマンドを使うとよい。もちろん、このコマンドを実行すると、monoランタイムはもちろん、monoランタイムに依存するソフトである、Banshee、Tomboy、GBrainyも削除されてしまう。これらのソフトウェアを使いたい場合は、monoランタイムを取り除くことはできない。
sudo apt-get purge cli-common mono-runtime
Monoを取り除くに至った理由はどうもよくわからない。少し検索してみたが、大雑把なメモしか見つからない。思うに、monoは十分に自由とは言えないからではないだろうか。monoには特許の問題がある。それに、C#を使った自由なソフトウェアも少ない。これは私も同意するところである。JavaやC#は、その背景事情をみると、十分に自由とは言えない。
No-Mono-by-Default - Ubuntu Wiki
どうも、Ubuntu 12.04では、HUDによって、メニューを検索できるらしい。これは、実際に使ってみないと便利かどうかわからないだろう。それから、Workspaceが動的に追加削除されるらしい。まだ試していないが、面白そうだ。固定数のworkspaceというのは少し不満だった。時に、もっとworkspaceがほしいと思うことがある。しかし、常に大量にほしいわけではない。workspaceの数の動的な変更は面白そうだ。もちろん、実際に使ってみるまではなんともいえないのだが。
その他の興味深いニュースとしては、nVidia関連のものが多い。
[Phoronix] NVIDIA 295.40 Closes High-Risk Security Flaw
以前のnVidiaのプロプライエタリでバイナリブロブなドライバーにセキュリティホールがあったそうだ。
[Phoronix] A NVIDIA Tegra 2 DRM/KMS Driver Tips Up
Tegra 2の自由なドライバーがDRM(Direct Rendering Manager)とKMS(kernel Mode Setting)をサポートしたらしい。最近、nVidiaはLinux Foundationに加入している。Tegra 2のドライバーの開発は、nVidiaが支援するコミュニティによって行われているらしい。興味深い話だ。これでデスクトップ用のGPUのドライバーも自由だったらいいのに。
[Phoronix] Open-Source NVIDIA Driver Approaches Stable State
リバースエンジニアリングをもとに作られたnVidia用の自由なドライバーであるNouveauが安定してきたようだ。本当だろうか。いまだに問題が多いのだが。
雑感
GNU/Linuxを使うのは非常に簡単だが、その詳細を学ぶとなると、だいぶ難しい。たとえば、dpkgやapt-getを使うのは簡単だが、じゃあ実際に自分でPPAを作ったり、debファイルを作ったりするにはどうすればいいのかというと、まださっぱりわからない。ソースコードが公開されていて、ドキュメントも整備されているとしても、学ぶには時間がかかる。しかし、今後もUbuntuを使い続けるならば、いずれ学ばなければならないと思う。
もちろん、不自由なWindowsを使っていたときも、インストーラーの仕組みについては学ばなかった。Windows InstallerとかInstallShieldとかNSISなどの使い方は、常には知りたいと思いつつも、学ばなかった。だから、同じ事だとも言える。何でもかんでも詳細を学んでいてはキリがない。ただ、私は性格上、どうしても詳細が気になってしかたがないのだが。
Ubuntuの開発になにか貢献してみたいと思いつつも、まだGNU/Linuxに移って日が浅く、自分の手足のように使いこなせているわけではないので、まだ敷居が高い。GNU/Linuxにおけるプログラミング作法も、まだ全然実感がつかめていない。せめて翻訳でも、と思うのだが、私はUbuntuを英語UIで使っていて、特に日本語UIにするつもりはないので、やはり貢献できそうにない。自分で使わない翻訳がまともな翻訳になるはずがない。
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