国内のアイルランド音楽愛好家の間で人気が高まっているアイリッシュ・フルート。
「ケルトの笛屋さん」では低価格で高品質なポリマー製のものから、キーの付いた木製のものまで多数のアイリッシュ・フルートを取り扱っていますので、どのようにして自分にぴったりの楽器を選んだらよいのかについてお伝えします。
低価格でも木の楽器が演奏したいという方は、木製フルートとしては珍しく10万円未満で購入できるMorneaux(モルノー)のメイプル製フルートがお勧めです。
シンプルなデザイン、合理的な設計で、軽く、指孔が抑えやすく、音が鳴らしやすいです。
アメリカの老舗メーカーSweetheart社の後継者ジョゼフ・モルノー氏による木製(楓/メープル製)アイリッシュ・フルート D管です。
当店で取り扱っているポリマー製の楽器は品質がよく、木と変わらない音色や演奏性能を実現しています。アイリッシュ・フルートの需要の高まりに対してブラックウッドなど硬木は希少になるつつあるので、今後ポリマーはフルートの一般的な素材になるかもしれません。
Galeónはシンプルな外見ですが音響工学をもとにした非常に良く鳴るフルートです。
指孔が小さく間隔が狭いF & Pモデル、指孔を押さえやすく設計したオフセット モデルがあります。
アイリッシュ・フルート入門モデルとして最適なメンテ不要のポリマー・フルート。楽器の反応の良さ、音量、軽さ、デザインのシンプルさが特徴です。
!お勧めできない楽器!
木製だからといって、3万円程度で売られているパキスタン製のフルートは決して購入しないようにしましょう。音程も鳴りも悪く使い物にならないばかりか、評判が悪く売却が難しいです。
キーつきフルートって何? という方は、こちらの記事をお読みください。
キーがあれば、半音階をスムーズに演奏できます。すべての半音階を演奏するには4キー、運指の繋がりを良くするには6キーが必要です。
キー付きフルートは納期や価格の面で購入が難しいのですが、当店ではフランスのジル・レアール Jill Lehart製作の6キー付きブラックウッド製フルートを定番としています。Lehartは信頼のおける品質で、キー付きフルートとしては比較的安く購入することができます。
フランス・ブルターニュの定評のあるフルートメーカーGilles Lehart製の6キー付きアイリッシュ・フルートです。
レアールのほかに、若干価格は高くなりますが、アメリカのDave Copleyも推薦しています。納期は半年ほど、価格は35万円程度です。(為替レートによります)
他の職人のフルートは待ち時間が半年~数年かかることがあります。以下に、6キーフルートの参考となる価格を掲載いたします(2016年の価格)。
Paddy Ward 2200 USD
Dave Copley 2565 USD
David O'Brian 1700 EUR
Martin Doyle 2360 EUR
Hammy Hamilton 3290EUR
上記は比較的入手がしやすい職人ですが、 Chris Wilkes、Michael Grinter、Patrick Olwell、Stéphane Morvan、Pol Jezequel、など人気の職人は納期が2年以上かかるでしょう。
当店ではフルートの輸入代行サービスを行っており、お客様のご希望どおりのフルートを手に入れるお手伝いをしております。
8キーとは、通常の6キーに加えて足部管に低音のCとC#のキーが付いたフルートのことを指します。これらのキーはアイルランド音楽には不要であり、また価格が高く製作の難易度が高いため、8キー付きフルートを作っている職人は多くありません。
当店のお勧めはDave Copleyですが、Steffen Gabriel、Thomas Aebi、Pol Jezequelなども製作しています。価格は40万円~70万円程度となります。輸入代行でご相談に応じています。
チューニング・スライドとは頭部管と管体それぞれの内部に組み込んだ2本の薄い金属の管のことです。これらの管を抜き差しすることでフルート全体の音程を調節できるようになります。
チューニング・スライドはフルートの発展の過程において19世紀から使用されるようになりました。
チューニング・スライドがないものも頭部管を引き抜くことで音程を下げることはできます。しかしチューニング・スライドがないフルートは、頭部管を引き抜いたとき本体の管の厚みのぶんだけ内部に空間が生じてしまいます。この空間が倍音の音程を狂わせてしまうのです。そのため、第二オクターブの音程をアンブシュアで調整しなくてはなりません。
チューニング・スライドを備えていれば、演奏中にフルート全体の音程をすばやく変えることもでき便利です。
右手の薬指の先に、指でおさえられない2つの孔が空いているフルートがあります。この孔を「捨て孔」と呼ぶことがあります。これらの孔は、20世紀初頭の8キー付きフルートの名残りで、それぞれ低音のC#とCに対応し、低音域を拡張させるためのものでした。
アイルランド音楽ではこれらの低音が必要ではないので、キーを最初から付けずにフルートを製作する際も、そのまま孔を残しているのです。
この孔があることで、2つの効果があります。
一つは、Dの音質を他の音に比べて飛び抜けないようにすることです。例えばEのときに開ける右手薬指の指孔は大変小さく、Eはこもった小さな音量の音です。
それに対して、Dを吹くためにすべての指孔を閉じると息は筒の先から出るのですが、筒の直径は大きいので、Eや他の音に比べて格段に太く強く鳴ります。このままでは音階がデコボコしてしまうので、捨て孔から息を逃がすことで、他の音との差が大きくならないようにしているのです。
もう一つの役割は、重心の安定です。フルートは左手の人差し指の付け根で支えますが、捨て孔がないと筒先が短くなり、重心が左に偏ります。
現代のアイリッシュ・フルートでは捨て孔が最初からないものもあります。この設計のメリットは、全体の長さが短くなり重量が軽くなることと、材料費が安めになることです。
また、アイルランド音楽ではD調の曲が多いため、Dが強く鳴ることはむしろ重要なことですから、捨て孔のないフルートはアイルランド音楽には適しているということになります。
アイルランドのフルート製作家Marin Doyle マーティン・ドイル氏によるアフリカン・ブラックウッド製アイリッシュ・フルートD管です。
アイリッシュ・フルート入門モデルとして最適なメンテ不要のポリマー・フルート。楽器の反応の良さ、音量、軽さ、デザインのシンプルさが特徴です。
Galeón ポリマー製アイリッシュ・フルートのチューニング・スライド付きです。楽器の反応の良さ、音量、軽さ、デザインのシンプルさが特徴です。
小さな手でも演奏しやすいフルートには3つのデザインがあります。
(1)指孔が小さいこと
(2)指孔の間隔が狭いこと
(3)指孔が直線状ではなく指に合わせて並んでいること(オフセット)です。
アメリカの老舗メーカーSweetheart社の後継者ジョゼフ・モルノー氏による木製(楓/メープル製)アイリッシュ・フルート D管です。
軽さを重視するのであれば、以下のことを考えましょう。
・素材
例えばアフリカン・ブラックウッドよりもポリマーが、ポリマーよりももカエデ材が軽いです。
・金属を可能な限り使わないこと
チューニング・スライドやリングやキーなど金属部品を使わなければより軽くなります。
・木材部分がより少ないこと
捨て孔がなく先端が短いものはより軽くなります。
アメリカの老舗メーカーSweetheart社の後継者ジョゼフ・モルノー氏による木製(楓/メープル製)アイリッシュ・フルート D管です。