MI6のOfficerともなればターゲット追跡に卓越したドライビング技術は不可欠。公道でのカーチェイスは様々な障害があり何が起きるか予測不
可能。一般市民が飛び出すかもしれないし、信号が赤でもターゲットを追いかけるためにはアクセルを踏み込んで突っ込まなければならないことも。一瞬たりと
も気が抜けない。そんな状況を体験できる映像をMI6が入手した。Galliano's TVC Review!さんのサイトでも紹介されている映像だ。
1965年にパリで撮影されたというこの映像、9分間ノーカット・CGなし・フェラーリ275GTBでパリの街をアクセル踏みっぱなしで爆走すると いう映像。一旦フェラーリがスタートすれば、それは最後までアクセルを踏みっぱなしでパリの街を駆け抜けていく。途中、全ての赤信号を完全無視でどんどん 突っ込んでいき、前にいるバスや他の車をすれすれにかわし、人の脇をぎりぎりで走り抜け、鳩の群れにもそのまま突っ込んでいき(数羽犠牲になってい る?)、あまりに無謀な命知らずの衝撃映像。ストーリーもナレーションもBGMも一切無し。ただひたすらフェラーリは轟音をとどろかせてパリの街を走り抜 けていく。撮影は映像から交通量の少ない早朝を選んだものと思われる。ある程度コースのイメージはあったと思うが、ところどころその場の瞬時の判断でコー スを変えて走っていっているという感じが、響きっぱなしのフェラーリのV12エンジンやタイヤの悲鳴から伝わってくる。アメリカの自動車雑誌カーアンドド ライバーが「自動車の映画の中で、いままで見たこともない最高のものの一つ」と評しているのも納得。
これを撮ったのはアカデミー外国映画賞、カンヌ映画祭のグランプリ作品である「男と女」の監督クロード・ルルーシュ。この男と女という映画、ル・マン24時間レースに出場し、アクシデントで病院に運び込まれたことが原因で、自殺してしまった妻をもっていたレーシングドライバーと、映画撮影中に
事故で死んだスタントマンの夫がいた女が、お互いひかれ合っていくというストーリー。「男と女」が1968年の作品でありこの作品が65年であるので、ある意味予告編のような繋がりと思えば一層興味深い。
撮影に使われたフェラーリ275GTB(ルルーシュ監督の車らしい)を運転していたのはモーリス・トランティニアン。1955年モナコGPでフェラーリに乗り優勝、1950年代のトップランクのF1ドライバー。
公
開当時は逮捕を恐れてドライバー名は公表されなかったそうでだが、ルルーシュ監督は逮捕されたらしい(泣)
ちな
みに「男と女」の主演ジャン-ルイ・トランティニアンはモーリスの甥。この2つの映画そういう点でも繋がっていたようで。その意味でも興味深い。
では、前置きはこのくらいにして、9分間、是非スピーカーをONにするかヘッドホンを耳にして、パリの街を疾走するフェラーリV12の鼓動をじっくり楽しんでください。
"Rendezvous" by Claude Lelouch
ちなみに下はGalliano's TVC Review!さんのサイトにあった"Rendezvous"の走行ルート地図。パリに詳しい人ならイメージつくでしょう。
タイムリーなネタでした!
なんだか、やたらとレースのシーンが
多いなと思っていたら、そういう経緯が
あったのですね~
ちなみに、私の発見は
「冷静と情熱の間」という映画のラスト
シーンが、「男と女」のそれと
全く同じだった!ということです