黄砂とは?リアルタイム情報やアレルギー・洗濯物・車・メガネへの影響と対策

春先になると、日本では「黄砂(こうさ)」が話題に上ります。黄砂は健康や生活にさまざまな影響を及ぼすため、その正体や対策を知っておくことが重要です。この記事では黄砂とは何かをはじめ、飛来時期やリアルタイムの情報を得る方法、アレルギーや洗濯物、車、メガネへの影響や対策を紹介します。
目次
黄砂とは何か?その発生源と日本への飛来
黄砂とは、中国大陸の砂漠や黄土地帯から強風によって巻き上げられた砂塵が、偏西風に乗って日本に飛来する現象です。主な発生源はゴビ砂漠やタクラマカン砂漠、黄土高原などで、数千mの高度に巻き上げられた砂粒は、大気中を漂いながら広範囲に飛散します。
黄砂には自然由来の鉱物粒子に加え、発生源や輸送途中で吸着したさまざまな大気汚染物質が含まれることがあります。
黄砂の飛来時期

黄砂は主に春から初夏にかけて、日本へ飛来します。特に3月~5月頃にピークを迎えます。この時期は砂漠地帯の気温上昇と乾燥、強い偏西風によって、黄砂が飛びやすくなるのです。
ただし、近年では、2月から飛来が始まる年もあり、稀に6月にも観測されることがあります。また、秋や冬に飛来することもあります。
黄砂のリアルタイム情報を得るための方法やツール
黄砂の飛来状況を把握するためには、以下の方法があります。
気象庁の黄砂情報
気象庁のウェブサイトでは、黄砂の解析予測図を提供しており、地表付近の黄砂濃度や大気中の黄砂総量を確認できます。
日本気象協会の黄砂情報
日本気象協会のサイトtenki.jpでは、3日先(60時間後)までの黄砂の分布予測を提供しています。地方別や都道府県別の情報を見ることが可能です。
環境省の黄砂情報提供サイト
環境省のウェブサイトでは、全国12カ所の観測地点におけるリアルタイムの観測データを見ることができます。
ウェザーニュースの黄砂レーダー
スマートフォンアプリ「ウェザーニュース」では、1kmメッシュ/1時間ごとの高解像度で、72時間先までの黄砂予測を確認できます。
黄砂がもたらすアレルギーなど健康被害

黄砂は、呼吸器疾患やアレルギー症状などの健康被害を引き起こす可能性があります。微細な砂塵が鼻や喉に付着することで、くしゃみや鼻水、喉の痛みなどの症状が現れたり、また、黄砂に含まれる化学物質や微生物が健康に悪影響を及ぼすこともあります。
特にぜんそくや循環器疾患との関連性が指摘されており、高濃度の場合は注意が必要です。
呼吸器系への影響:ぜんそくやアレルギー性鼻炎の悪化、咳や喉の痛みなど
循環器系への影響:心筋梗塞、脳梗塞など
アレルギー症状の悪化:花粉症の症状悪化、結膜炎、皮膚炎など
外出時はマスクやメガネなどを着用し、肌の露出の少ない服装で出かけましょう。また、帰宅後は、黄砂の付いた服をブラッシングや洗濯するのがおすすめです。そして、すぐに手洗い・うがい・洗顔をして、黄砂を洗い流しましょう。
洗濯物への影響と対策

黄砂が洗濯物に付着すると、衣類の汚れや黄ばみ、繊維の傷みの原因となります。対策として、以下の方法が有効です。
部屋干し
黄砂の多い日は、洗濯物を室内に干すことで付着を防げます。
乾燥機の利用
乾燥機を使用することで、洗濯物を外気に触れさせずに済みます。
洗濯物カバーの活用
どうしても外干ししたい場合は、洗濯物カバーを使用すると黄砂の付着を軽減できます。
車への影響と対策

黄砂が車に付着すると、塗装面の傷やシミが生じる可能性があります。黄砂は硬い鉱物質を含み、形状も角ばっているため、付着したまま放置すると塗装面に傷がつく原因となるのです。また、雨と混ざることで粘土状になり、シミを形成することもあります。
対策としては、下記のような方法があります。
1. 高圧洗浄機での水洗い
車体に付着した黄砂をまず水で洗い流します。高圧洗浄機を使用すると、効果的に除去できます。
2. カーシャンプーでの洗浄
水洗いした後、カーシャンプーを使用して車体を洗います。泡立てたシャンプーで優しく洗うことで、残った汚れを落とし、傷つきを防ぎます。
3. コーティングの実施
洗車後、車体にコーティングを施すことで、黄砂の付着を防ぎ、汚れが落ちやすくなります。
メガネへの影響と対策

黄砂がメガネに付着すると、視界の妨げやレンズの傷の原因となります。対策としては下記のような方法があります。
水洗いの徹底
黄砂が付着したメガネをそのまま拭くと、レンズに傷がつく恐れがあるため、特に外出後はまず、水で優しく洗い流し、黄砂を除去しましょう。
防護メガネの使用
花粉症用の防護カバー付きのメガネを使用することで、黄砂の侵入を大幅に減少させることができます。
メガネ拭きの清潔維持
メガネ拭きも定期的に洗濯し、清潔な状態を保つことで、レンズの傷つきを防げます。
黄砂の影響を最小限に抑えるためには、最新の情報をチェックし、適切な対策を講じることが重要です。紹介したことを参考にしてみてください。
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