東京・高円寺で80年以上愛されている銭湯「小杉湯」。そこで唯一の常駐スタッフとして働いているのが、塩谷歩波(えんやほなみ)さん(27)です。若者が集うイメージが薄い銭湯で、平成生まれの塩谷さんが番台に立つようになったのはなぜでしょうか。小杉湯にて本人に背景を伺いました。過労で休職。銭湯が私を救ってくれた−−若い方が銭湯で働いているというのが意外でした。まず銭湯との出会いを教えてください。塩谷:出会いは約1年ほど前、建築事務所で仕事をしていた時です。忙しい日々の中で寝ても疲れがとれず、めまいや絶望感に襲われることが増え、ついに体を壊してしまったんです。医師から「過労による機能性低血糖症」と診断され、2016年の9月から3カ月間休職していました。その時、医師に「代謝を上げた方がいい」と言われ、銭湯に行ってみたところ1回ですごく調子がよくなって。それから都内の銭湯を巡るようになりました。−−過労