阿部弁護士のひとこと解説 丸の内ソレイユ法律事務所の弁護士、阿部栄一郎です。これまでに不動産トラブルを数多く担当してきました。『競売物語』に関連して、競売にまつわる豆知識や、私の元に寄せられたトラブル事例などをご紹介します。 解説その1:「治外法権部屋」は本当にあり得る 本編では、マンションの1部屋が「治外法権」になるという話がありました。外交官を相手に立ち退きを求めるようなことが仮にあるならば、漫画の描写は実質的に正しいです。 外交関係に関するウィーン条約の第31条に、次のような定めがあります。 第三十一条 1 外交官は、接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。外交官は、また、次の訴訟の場合を除くほか、民事裁判権及び行政裁判権からの免除を享有する。 (a)接受国の領域内にある個人の不動産に関する訴訟(その外交官が使節団の目的のため派遣国に代わつて保有する不動産に関する訴訟を含まない。)
