海洋研究開発機構などの研究チームは、1944年に起きた東南海地震の震源域で特殊な地震計を使い観測した結果、普通の地震よりゆっくり滑る「超低周波地震」の発生メカニズムを解明したと発表した。研究成果は英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載された。 こうした地震は従来の予想とは異なり、海溝付近の海洋プレート(岩板)が大陸プレートの下に沈み込む境界で発生することが分かった。海底面の変化で起きる津波地震も同様の過程で発生するとみられ、解明が進むことが期待される。 研究チームは2008年夏、断層破壊速度が遅い地震も観測できる広帯域海底地震計を、和歌山県田辺市の沖3カ所に設置。09年3月22日から10日間にわたり、南海トラフ軸近くで超低周波地震を捉えた。 マグニチュード4程度の場合、通常の地震なら地殻破壊は1秒程度で終わるが、観測された地震は30〜100秒かかったという。 【関連記事】