新しい年が明けて2週間ほどが経った。私の心はますます憂鬱に閉ざされている。いうまでもなく、昨年末の日本と韓国での選挙結果を受けてのことだ。日本の新政権は夏の参議院選挙に向けての一時的な人気取り政策を矢継ぎ早に打ち出す一方、外交、安全保障、教育などの分野で極端な右傾化を実行し始めている。極右イデオローグたちがこれ見よがしにわが世の春を謳歌している。私は生まれてから60年余りを生きてきたが、予想外に長く生きてしまったせいで、見たくなかったものを見せつけられることになった。 私の人生を20年ずつ3つの時期に分けてみると、最初の20年は日本の戦後民主主義の興隆期にあたる。次の20年は大学闘争の敗北を経た脱政治の時期、第三の時期は経済成長の停滞と保守化の時期と言えるだろう。そんなことは望んでいないが、私がもしあと20年生きるとすれば、それは大反動の時期となるだろう。日本は敗戦と引き換えに得た民主主義