いったんインフレ率は上がったものの,また下がってきている.イギリスにかぎらず,ほぼあらゆるところでインフレ率が下がってきている.このことから,マクロ経済学はどんな教訓を学べるだろうか.そして,どんな問いがなおも残るだろう? けっきょく,〔インフレは供給の混乱からくる一過性のものだと主張した〕「チーム一過性」の言い分は正しかったのだろうか?各国の中央銀行の利上げは遅すぎたのだろうか? また,いざ利上げを始めたときには,急速に引き上げすぎたのだろうか? 本論の前に準備段階でとりあげるべき論点は,生活コストの問題ではない.ある期間にインフレ率が上がって再び下がるとき,その期間の起点に比べて終点の物価はずっと高くなる.自分たちが味わったインフレに見合うだけの所得増加がなかった人たちは,以前よりも悪い状態になってしまう.それも,おそらくは大幅に悪化する.〔パンデミック以前から〕すでに生活の収支を合わ
![サイモン・レン=ルイス「2021年~23年のインフレバブルから(これまでに)得られた教訓」(2023年12月23日)|経済学101](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/73567fef4c8bd989391ff3dd2fe8c825ec278ed9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffanyv88.com%3A443%2Fhttps%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F126713491%2Frectangle_large_type_2_efd5efc470628debcf04fa36a5ebe657.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)