世界経済の先行き不安が広がりつつある。中国経済の減速は続いており、米中新冷戦が拍車をかけかねない。英国のEU(欧州連合)離脱の破壊的衝撃も懸念される。日本経済は景気拡大局面を続けてきたが、国際情勢の懸念もあって足元は弱含みだ。こうしたなか、政府は今年10月、消費税率10%への引き上げを断行できるのか。永田町には「安倍晋三首相は最終的に増税を回避するのではないか?」と推察する向きも多い。 総額で初めて100兆円を上回る2019年度予算案の審議が4日、参院予算委員会で始まった。当然、消費税も議論になった。 茂木敏充経済再生相は、野党議員から消費税増税を考え直すように迫られて、「16年後半以後の日本経済は、プラス成長で推移するなか、財政再建をしっかりやりながら、(人材に投資する)『人づくり革命』などをするためにも消費税率の引き上げは不可欠だ」と語った。
