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11月12日、ようやくアニメーション映画『この世界の片隅に』(原作/こうの史代)が全国公開を迎える。 最初に制作発表がなされたのは、2012年の8月。しかし、企画は遅々として進まなかった。 事態がガラリと変わったのは、制作発表から2年半後の15年3月だった。クラウドファンディングによる資金調達が始まると、わずか9日間で当初の目標額2,000万円に到達。最終的には、3,374人の支援者が総額3,622万4,000円を出資する国内最高金額を記録した。 こうして同6月には製作委員会も発足。さらに、今年8月には本予告と共に、主役である「すずさん」の声を、7月に芸名を新たにするなど動向が注目されていた女優・のんが担当することも発表され、『この世界の片隅に』のタイトルは、多くのメディアが取り上げるに至った。 ■クラウドファンディングが作品にもたらしたもの ──WEBアニメスタイルで連載してきたコラム『
『SCOOP!』『何者』『溺れるナイフ』ーー話題作の陰にこの人あり 伊賀大介に訊く、日本映画の「衣装」の現在 今年に入ってから公開された作品だけでも、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』『世界から猫が消えたなら』『ふきげんな過去』、そして現在公開中の作品では『SCOOP!』『何者』『溺れるナイフ』と、いずれもまったく方向性は違うものの、2016年を代表する作品群の「衣装」を手がけている伊賀大介。2012年にアニメ作品『おおかみこどもの雨と雪』の「衣装」まで手がけた時には、さすがにちょっとした話題となったが、普段は裏方に徹していることもあって、近年目に見えて充実ぶりを示している日本映画界における「陰のキーマン」であり続けている。 ファッション誌や広告のフィールドを中心に活躍してきた超売れっ子スタイリストの彼は、どのような経緯で映画に関わるようになったのか? そして、何が彼を決
マダムリリーが以前、フランスで失業手当をもらっていた頃の話だ。フランスのハローワーク(ポール・アンプロワ)との面談で、ビジネスフランス語を学べる講座があることを知り、さっそくオリエンテーションに行ってみることにした。パリ・イルドフランス地方の外国人失業者全てが集まる会で、郊外(バンリュー)南のかなり辺ぴなところで催された。 当日、会場に行ってみると、50人くらいの外国人がいた。アフリカ系、アラブ系、東ヨーロッパ系…。 オリエンテーションでは、まず主催者が出席者リストを回し、それにサインをするよう指示された。すると、あるアフリカ系の女性が困ったようにこう言うのだ。 字が読めないのでわかりません。 どうやら自分の名前をリストのなかから見つけられないらしい。仕方なく周りにいた外国人が彼女の代わりに名前を探し、サインをしてあげる。その後も、同じように自分の名前が読めない人が数人いて、私も近くにいた
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