菅直人首相は、重要政策の司令塔を担う目的で設置した「国家戦略室」について、政策決定の実権を持たない首相の「知恵袋」的な組織に縮小することを決めた。昨年の総選挙の民主党マニフェストに盛り込まれ、政治主導の予算編成や国家ビジョン策定を担う目玉組織として新設された戦略室は、発足1年を前に大きく変質することになった。 菅政権は2011年度の予算編成については、首相、仙谷由人官房長官、野田佳彦財務相、民主党の玄葉光一郎政調会長の4人で相談しながら基本的な方針を決めていく考えだ。政治主導で大胆な予算の組み替えが実現できるかが問われることになる。 戦略室の役割について、菅首相は14日夜、国家戦略室メンバーとの会合で戦略室のあり方を見直す方針を説明した。これを受け国家戦略室長の平岡秀夫・内閣府副大臣は15日の会見で「戦略室は首相の知恵袋の役割を果たす。各省調整の役割もなくなる」と述べた。今後は首相から