社会現象にもなった「レント」の1場面。「今日という日があるだけ」というメッセージは多くの観客の心をゆさぶった。(撮影・ジョアン・マーカス氏) 【ニューヨーク=長戸雅子】エイズの時代のニューヨークの若者たちを描いたブロードウェー・ミュージカル「レント」が7日に最終公演を迎える。高い芸術性と社会性、時代性で世界の観衆を魅了した作品は12年4カ月という史上7番目のロングラン記録を残し、惜しまれつつ幕を下ろす。 プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」を下敷きにした「レント」はニューヨーク・マンハッタン南部のイーストヴィレッジに住む若者たちの物語。アパートの家賃(レント)も払えない貧しさのなか、エイズウイルス(HIV)に感染し、死の恐怖と闘いながら、今日を精いっぱい生きる。 主流派のミュージカルには登場しなかったHIV感染者、アフリカ系とヒスパニック系のゲイカップルら性的・人種的マイノリティーを主役にし