~ 専門家は語る(MDAジャパン理事 山口律子氏)【後編】 ~ A係長はもやもやとした気分を抱えている。半年間うつで休職していた部下、Bくんが先月、職場に復帰したのだが、再び会社に来なくなってしまったのだ。 これはまったく予想外の展開だった。なぜなら事前の面談では、同席した主治医が「お元気になられましたよ」と太鼓判を押してくれたからだ。それでは、と以前のように仕事を任せたところ、いっこうに作業がはかどらない様子。おまけに大きなミスも続出した。そうこうするうちに、「すみませんが、調子が悪いのでまたしばらく休ませていただきます」というBくんからの電話が入ったのだ。 A係長の立場はますます苦しいものになった。部下のひとり、C子さんからは、「これ以上、Bくんの代わりはできません!私がうつになりそうです!」と責められ、課長からは「君がプレッシャーをかけたんじゃないの?」と白い目で見られ――。いま