アイスランド再生の原動力は何だったのか。そのカギは、市民や地域が主体となってボトムアップ型で問題や解決策を集約するにとどまらず、みずから国内外のネットワークを駆使して彼らに学び、具体策を実行に移す「スケールアウト型イノベーション」にあった。日本の被災地やその他地域も、これに倣って地域の価値を見直し、体制を再構築するときである。気仙沼などの復興策にはその萌芽も見られる。 アイスランドの広い空の下。レイキャビクから30分も船に乗れば、見渡す限りの美しい自然に圧倒される。どこまでも続く青く澄み渡った空の下にいると、時が過ぎるのを忘れてしまいそうだ。 ヨーロッパの辺境と呼ばれ、貧しい島国であったがゆえに、豊かな自然が今も残るアイスランド。高度経済成長を経て世界有数の経済大国となり、今に至る日本。両国に、どれだけの接点があるのか。タイトルを読んで、そう思われた方も多いはずだ。 両国の最大の共通点――
