逮捕や財産の捜索、差し押さえは裁判官が事前に出した令状に基づくという「令状主義」について、県警の認識の甘さを批判した横浜地裁の無罪判決。今回のように違法捜査を認定し、収集された証拠を否定するケースは全国でも散見される。 判決は、令状なしでの乗用車内の捜索について「車内に置かれたかばんの中身を確認するなどプライバシー侵害は大きい」と指摘。「捜索令状のことはよく分からず、あとで必要と知った」とした署員の法廷証言に触れ「警察官の令状制度に対する理解の乏しさは深刻」と非難した。最高裁判例は「令状主義を無視する重大な違法があり、証拠として認めることが将来の違法捜査を抑制するという見地から相当でない場合、証拠能力は否定される」としている。今回の判決でも同じ指摘があった。 京都地裁でも昨年3月、バッグの所持品検査を拒否したが、無理やり開けた際に見つかった覚せい剤の所持で現行犯逮捕、使用の罪で起訴され