日本ではほとんどなじみのない「列車砲」なる兵器は、第2次世界大戦期、航空機の発達とともに世界中から姿を消しましたが、その子孫といえるものが21世紀のシベリア鉄道を走っていました。どんな兵器だったのでしょうか。 航空優勢な時代に淘汰されたはずの「戦闘鉄道兵器」 決まったレールの上しか走れない鉄道車両が強力な兵器となることはイメージしにくいかもしれませんが、鉄道網の発達したヨーロッパや北アメリカなど大陸では、列車砲や装甲列車はよく使われました。自動車や道路が未発達だった時代、鉄道は比較的、重くて大きいものでも迅速な移動が可能で、大砲の運搬手段として、19世紀には攻撃兵器として、着想されていたようです。実用化されたのは1864年のアメリカ南北戦争が最初といわれています。 ロシアの「列車砲の子孫」、戦闘鉄道ミサイルコンプレクス「BZhRK」を牽引する三重連の大型ディーゼル機関車、DM62型(画像: