<現代の日本人はまだ自分たちをまとめる原則を持っておらず私権のカラに閉じ籠もっている> 安倍元首相銃撃事件を見ていると、「現場力の低下」が顕著だ。警察官は警護で立っているが、肝心の元首相の安全確保を合目的的に考えていない。警護の人数が少なくても、前後左右に目を配る人員の配置くらいは現場の判断でできたはずだ。 奈良県は安全だから訓練が不足していたからか、上からの指示がないと動かない存在に堕していたのか――。格好を付けて任務を果たしたつもり、は悪しき官僚主義の最たるものだ。 日本では毎日殺人やひどい事故が起きているのに、なぜか「日本は安全」マインドが染み着いている。 筆者の家の近くでは、信号のない横断歩道を左右も見ずに渡る歩行者が引きも切らず、何十人もの人間を乗せたバスがその前で立ち往生している。規則のとおりなのだろうが、バスや公共性の高い車両には歩行者が自分の判断で譲るべきではないか。 戦前
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