【ソウル=牧野愛博】北朝鮮の中央裁判所(最高裁に相当)は、拘束していた米国の女性放送記者2人の裁判を4〜8日に実施し、「朝鮮民族敵対罪」と「不法国境出入罪」で2人に12年の労働教化刑を宣告した。朝鮮中央通信が8日伝えた。米朝対話の糸口にする思惑や、国連制裁決議などの圧力を弱めたい狙いが北朝鮮にあるとみられる。 裁判を受けたのは米「カレントテレビ」の記者で、韓国系米国人のユナ・リーさんと中国系米国人のローラ・リンさん。2人は3月17日、同僚らと中国・図們市近くの北朝鮮咸鏡北道(ハムギョンブクト)との国境地帯を流れる豆満江(トマンガン)(中国名・図們江)沿岸で取材中、朝鮮人民軍兵士に拘束された。 韓国政府などによれば、北朝鮮は2人の拘束を続ける一方、米国の依頼を受けた在平壌のスウェーデン大使館員との面会を許可。ほかにも朝鮮中央通信がたびたび2人の消息を伝え、先月末に家族との通話も認めた。韓