「反物質」のエネルギーを利用した超高速宇宙船で惑星旅行に出発−。SFに登場する未来のロケットの実現性を真剣に考える研究会が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若手技術者らで結成された。未来型ロケットの研究組織は国内初。「100年後」の開発を視野に、壮大な将来構想を今年度中にまとめる。 月旅行は現行ロケットの推進技術で可能だが、火星旅行はより効率の高い原子力、さらに遠い惑星へ行くにはケタ違いに高性能な新技術が必要だ。 研究会は「往復2週間の火星旅行」「往復20年の太陽系外旅行」を目標に、技術的な課題と実現可能性を探る。 究極の開発目標は「反物質ロケット」。地球や人間を作っている普通の物質とは電気的な性質が反対で、自然界にはほとんど存在しない反物質を燃料に使う。反物質と普通の物質を衝突させると、どちらも消えて光に変わる現象が起き、このとき生まれる巨大なエネルギーで前進する。試算では現行ロケット