ふだんは陽気なカナダの観衆が凍りついた。オーストラリアの先住民アボリジニをイメージした衣装で氷上に立った昨季世界選手権覇者のドムニナ、シャバリン組は、規定首位からODで3位まで後退。シャバリンが「(優勝した)欧州選手権よりもよかった」という演技も、拍手で盛り上がることはなかった。 民族音楽を使用するODは、先住民をテーマにした演目だった。だが、濃い肌色のスーツに白い模様を施し、腰に赤い布と葉っぱをつけた衣装は、差別問題に敏感な北米メディアから「侮辱的」と批判を受け、物議を醸していた。 ファースト・ネーションズ(カナダ先住民)との会談も行い、理解を得たはずが、観衆には受け入れられなかった。シャバリンは「意図したことは音楽や文化の融合。演目に対する反応がこんな多いなんて思っていなかった」と戸惑いを見せた。(共同)