昨年2月から計11回のシステム障害が表面化したみずほ銀行。2002年のみずほ銀発足初日、11年の東日本大震災直後に起こした2回の大規模障害を受けて再発防止を誓ったはずが、名門の威信はまたも傷ついた。金融庁は異例の長期に及んだ検査で、みずほだけで障害が多発する理由を千人超の行員へのアンケートなどを通じて詳細に分析。浮かび上がったのは、日本興業(興銀)、富士、第一勧業の旧3行が合流した20年前から醸成されてきた「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」という企業風土だった。金融庁検査の最中にも、親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)は組織防衛に走ったが、最後はグループ3首脳の退任に追い込まれた。みずほの1年近くに及ぶ迷走を検証した。(共同通信=李洋一、内堀康一) ▽「旧行意識」が今も影響? 21年2月28日昼、東京都港区。日曜日のオフィス街に人けはなかった。出勤した会社員の男
