ミャンマーから来たイスラム教徒のロヒンギャ族などに対する人身取引に関与したとして、タイ警察は3日、同国陸軍のマナット・コンペーン中将(58)を人身取引や監禁などの容疑で逮捕したと発表した。ロヒンギャ族の人身取引で軍高官が逮捕されたのは初めて。陸軍は中将の職務を停止した。 タイ国家警察庁によると、中将は2012年後半から今年にかけて、ロヒンギャ族やバングラデシュ人の人身取引、監禁、親族への身代金要求などに関与した疑いがもたれている。 中将は人身取引の舞台となったタイ南部に配置された部隊で顧問などを務めていた。ロヒンギャ族などの人身取引をめぐっては、これまでに84人に逮捕状が出され、うち51人が逮捕されている。容疑者には警察官や地方職員、政治家が含まれているが、軍関係者はこれまでいなかった。(バンコク=大野良祐)
