旧日本郵政公社が民営化前の2007年3月、競争入札で不動産会社7社に115億円で一括売却した178か所の土地・建物のうち、評価額1万円とされた鳥取県岩美町の「かんぽの宿・鳥取岩井」が、売却の半年後に同町内の社会福祉法人に6000万円で転売されていたことがわかった。現在は老人ホームとして使われている。 転売したのは、不動産会社7社のうちの1社(東京都)。 日本郵政会社によると、同宿は1978年に4階建て、延べ4219平方メートルで建設され、土地は1万3000平方メートル。同社は「05年度に2700万円、06年度にも4200万円の赤字を計上したため、一括売却の対象とした」と説明している。 社会福祉法人の当時の担当者は「6000万円は相場を考えてこちら側が提示した。1万円の評価だったとは知らなかった」と話している。