2006年10月に放送分野に新規参入したイーライセンス(東京)をめぐっては、実際に包括徴収の弊害が出ていた。同社は音楽大手エイベックス・グループ・ホールディングスの系列会社から人気歌手の倖田來未、大塚愛らの約60曲の管理委託を受けて営業を開始。しかしFMラジオなどの放送局がこれらの曲をほとんど使用しなかったことから、わずか3カ月後に委託契約を解除され、管理はJASRACに移された。 イー社は曲の実際の使用頻度に応じて使用料を徴収しており、1曲当たりの料金は数千−数万円程度。放送局担当者らは公取委に対し、一般的にJASRACへの支払いは社全体の負担になるが、ほかの団体分は番組ごとの負担になるため、イー社の曲を使用しなかったと話した。 60曲は同年のNHK紅白歌合戦でも歌われた大塚愛のヒット曲「恋愛写真」、倖田來未「アイルビーゼア」など。当初はほとんど使用されなかったため、イー社は同年10