日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市白木)で、核燃料交換用の「炉内中継装置」が24日、約10か月ぶりに原子炉内から取り出された。 最悪の状況を脱したが、福島第一原発事故による安全対策の強化や原子炉の完全復旧、一連のトラブルの検証など課題は多く、今年度内の出力40%での発電試験開始は依然、不透明な状況が続く。 慎重作業 密閉状態を確認しながらの準備作業で難航し、実作業は約7時間遅れで始まった。クレーンで引き抜く速度は10分でわずか24センチ。中断しては、装置の位置や密閉性の確認を繰り返した。ある機構幹部は「失敗は許されなかった。とにかく万全を期した」と明かし、引き抜き成功に安堵(あんど)の表情を見せた。 今後の見通し 機構は7月上旬、装置を分解点検して炉が傷ついていないか調べる。「可能性は低い」とするが、深刻な損傷や部品の脱落が見つかれば、炉内の点検など、大がかり