高度なクリエーションには、つまり、圧倒的なところまで到達するには、脳内か体内かよくわからないけれど、なんらかの狂気の活躍が不可欠だと思う。 ミシェル・フーコーがエイズのため57歳で亡くなったのは、1984年。葬儀では、ジル・ドゥルーズが、フーコー晩年の重要な著作『性の歴史』第2巻『快楽の活用』の序文の一部を朗読した。 「今日、哲学とはいったい何であろうか。(略)いかに、かつどの程度違った風に考えることが可能か知ろうと真剣に努めることが哲学でないとしたら、哲学の本質はいったい何にあるというのだろう。」 「違った風に考えること」 英語だと、Think differentか。 どこかで聞いたことがあるぞ。 「狂気」のフランス語は、folie。言うまでもなく、foolishと同じ語源である。プラトンが『パイドロス』を書いたのが紀元前370年頃。ものを考え、創ろうとする人たちは、大昔から、本能的に「