慰安婦に関する著書を「捏造(ねつぞう)」と言われ、名誉を傷つけられたとして中央大の吉見義明名誉教授が桜内文城元衆院議員に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は、吉見氏の上告を退ける決定をした。6月29日付。請求を認めなかった東京高裁判決が確定した。 確定判決によると、桜内氏は平成25年5月、日本外国特派員協会で開かれた橋下徹前大阪市長の記者会見に同席。吉見氏の著書が話題になった際「既に捏造であるということがいろんな証拠によって明らかとされている」と発言した。 1審東京地裁判決は「発言は意見表明にとどまる」と判断。東京高裁は「吉見氏の著書が捏造だと述べた発言と認定できない」とし、いずれも吉見氏敗訴とした。