1989年6月の天安門事件のきっかけとなった学生らの民主化要求運動で、北京・天安門広場を占拠し続け民主化運動指導者、柴玲さんが米国マサチューセッツ州で起こした裁判で、同州の最高裁判所は10月中旬、柴玲さんら原告の主張を退け、相手側の弁護士費用などの裁判にかかった費用として約51万ドル(約5100万円)を支払うよう命じる判決を下した。 この裁判とは、事件当時の記録映画のなかで、柴玲さんが「私は流血を望んでいた」などと告白した部分について、柴玲さん側が映画から削除するよう求めるなど、執拗な嫌がらせをしたとして名誉毀損などで訴えられていたものだ。一時は「民主化運動のヒロイン」と讃えられたこともある柴玲さんだが、この判決で当時の民主化運動そのものに汚点を残した格好だ。 柴玲さんは事件当時、「天安門広場指揮部総指揮」との肩書きで、民主化運動の方針に強い影響力を持っていた。柴玲さんら民主化指導者が交渉