しかし、感動して読んだこの「男組」ではあるが、当時から疑問があった。 「いくら達人とはいえ、そんなに素早く相手に飛び込めるのか?」 それに納得がいかない点がもう一つ。技の名である。 猛虎硬爬山・・・ 何と言うカッコイイ名前であろうか。必殺技とはこうでなくてはならない。たぶん八極拳には、よほどの文才がいたのであろう。八極拳の技には、これに限らずネーミングのセンスが良いものが多い。 しかし気になったのは、この名称の意味である。『猛虎』、これは問題ない。硬・爬・山、この内で意味の分かり難い文字が一つ。そう『爬』である。 そこで漢和辞典で調べてみた。すると、これは「爪にかける」の意であった。つまり『猛虎硬派山』とは『猛虎が山に爪を強く突き立てる』(意訳)と云う意味であって、これは肘打の動作とは全く違う。爪を立てると云う言葉から連想されるのは、むしろ掌打である。「何か変だな〜」と思いつつ