東日本大震災の影響が生活のさまざまな部分に及ぶ中、被災者を勇気づける詩人の作品が全国的にブームを呼んでいる。俳優・渡辺謙(51)や香港のアクション俳優・ジャッキー・チェン(57)が使用した宮沢賢治の代表作「雨ニモ負ケズ」は、発行元の新潮社が異例の増刷を行う人気に。また、ACジャパンのCMで話題となった金子みすゞの「こだまでしょうか」は、電子書籍が発売されるほどの広がりを見せている。 ◇ ◇ 「雨ニモ負ケズ」は、渡辺らが立ち上げた東日本大震災の支援サイト「kizuna311」内で、渡辺が朗読したことでまず話題に。その後、ジャッキー・チェンが手掛けたチャリティーソング「不要輸給心痛」のベースになったことから、さらに注目が高まった。 作者の宮沢賢治は、震災で被害の大きかった岩手出身。くじけずに立ち上がる元気を呼び起こすには最適の詩として、同作が収められた「新編 宮沢賢治全集」を発行する新