→紀伊國屋書店で購入 集合住宅での井戸端会議。悪口をいわれることを怖れ、そこに加わることを止められない「私」。いたって普通の主婦、と自らを見積もってみても、子供がいないため、まわりの〝母親〟たちとのやりとりに頷くそのさまはどうしてもぎこちなく、息苦しさはつのる一方である。 ないものねだり。要するに私は恵まれていて、その上暇なんだなあと思う。なんの不満もないけれども、現実逃避したい感じ。私は何から逃げているのだろう。わからない。だけど私は夫がいなくなると、忘れていた何かを思い出しそうになる。 「中の中くらい」の生活レベル。夫婦関係に問題はみあたらない。昼間することがなく、つい食べものを口にしてしまう「私」が太っても、夫は「きみは太っていてもかわいいよ。」と言ってくれる。落ち込んでいればやさしく声をかけてくれ、涙を流した目にキスしてくれる。けれども現状は、「私」の夫婦の理想からはかけ離れてしま
![『女の庭』鹿島田真希(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fbceca1c3795bfe031acaa45bc6e445d87945681/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffanyv88.com%3A443%2Fhttps%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502201903.jpg)