id:cosmo_sophy:20041110の記事で、精神分析やカウンセリングの治療的面接の場面において生起する『転移(transference)と逆転移の概念』*1について簡略な説明をした。 転移とは、クライエントの過去の記憶に痕跡を残している強烈な満たされない感情の向かう先が分析者(カウンセラー)の方向へと向け変えられるものである。 もう少し詳述するならば、『過去の人間関係』で重要な役割を果たしていた両親や親族などに対する感情が、『現在の人間関係』の中で再現され繰り返し反復される事が転移であり、病的な心理状態にある場合には転移に加えて退行(regression)や行動化(acting out)*2といった防衛機制が合わせて観察される。 誤解を防ぐ為に断っておくが、転移そのものは病的な現象でも幼稚な行動でもなく、極自然な人間関係の中で私達は無意識の内に転移に似た感情表現をしたり、転移に