京都大の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞しました。ここ数年、有力な受賞候補者として名前が挙がっていましたが、とうとう快挙達成。うれしいニュースに日本中がわきました。 ノーベル賞といえば、私たちにはもう一人気になる日本人がいます。それは作家の村上春樹。さて、こちら文学賞での朗報も今年はもたらされるのでしょうか。 評論家の宇野常寛氏は『リトル・ピープルの時代』の中で、村上春樹だけが「国内における圧倒的な商業的成功と、国外における日本人作家としては例外的な普及力」をもつ特異な存在だといいます。純文学の世界では、注目を浴びる作家でも初版部数1万部以下は当たり前。そんななか、彼だけが100万部以上のベストセラーを次々に世に送り出しているからです。しかも、世界でも高い評価を得ていて、「国内においてはポップカルチャーとして消費される春樹が、なぜ世界文学たり得るのか」と疑問を投げかけています。 氏は、