AIを活用したシステム技術検証が行われた小田急小田原線は、特急(右)や急行などさまざまな種別の列車が走る=東京都町田市(大竹直樹撮影)災害や事故で乱れた鉄道のダイヤを人工知能(AI)技術で回復させるシステムを大手電機メーカーが開発した。囲碁やチェスでは人類に勝利したAIも、「スジ屋」と呼ばれるダイヤ作成の職人にはかなわず、復旧ダイヤの自動化は実現していなかった。折り返し運転の区間や車両基地の容量、乗務員の配置など複雑な要素を考慮し、膨大なパターンから最適解を導き出す必要があるためだ。首都圏や関西圏で相互直通運転が増加し運行形態が複雑になる中、最先端のAI技術は、スジ屋の持つ職人技にどこまで迫ったのか。 深層学習と強化学習世界でも比類ないほど時間に正確な日本の鉄道。秒単位の運行計画は「ダイヤグラム」と呼ばれるグラフに表される。横軸に時刻、縦軸に駅名を記し、列車の動きは斜めの線で示される。これ