With Malice Toward None, With Charity For All... Twitter/facebook/Mail 【読書感想文】 源淳子著『仏教における女性差別を考える 親鸞とジェンダー』(あけび書房) 宗教論、フェミニズム論を超越した得がたき自伝的ドキュメンタリー 本書の著者・源淳子氏はフェミニズムの研究者であり、そうした方が書いたこういうタイトルの本は、まず人に「お堅い研究書」のような印象を抱かせるものであろう。確かに本書の根底に間違いなく流れているのは、源氏の持つ、フェミニズムと宗教に対するアカデミックな知見である。ただし本書は、いい意味で「研究書」の枠組みをはるかに飛び越えている。本書は著者・源氏の激しくも気高い人生の記であり、あまりに赤裸々につづられた回顧の中から、氏のフェミニズムがいかに形成されてきたのかをすさまじい迫力とともに描き切る、瞠目すべき自
