プロイセンの軍事学者として知られるカール・フォン・クラウゼヴィッツは、かつて戦争と政治の関係について重要な学説を提起したことで知られています。 彼の命題はその後の軍事学者の間で繰り返し参照されることになり、政治の観点から戦争を研究する意義を指摘したクラウゼヴィッツの思想を表わす記述として知られるようになりました。 しかし、クラウゼヴィッツは具体的に何を論じていたのかという点については、よく分からない方も少なくないと思います。 今回の記事では、クラウゼヴィッツの戦争観が読み取れる記述をいくつか紹介し、政治と戦争の関係に関する彼の思想を紹介してみたいと思います。 戦争は政治の道具である クラウゼヴィッツの軍事思想の特徴は、戦争が政治の道具であり、政治が示した目的を達成するために戦争は遂行されるという関係をはっきりと規定したことにあります。 「そこで戦争は政治的行為であるばかりでなく、政治の道具