図1. ラット海馬CA1野の場所細胞の場所受容野マップ ラットは、視覚弁別課題と交代反応課題を八の字迷路上で遂行している。同時記録された28個の場所細胞の発火頻度は、右下にあるカラーバー(最大値(赤)、無発火(青))に示されるグラデーションで表現している。ラットが訪れていない場所は黒で表現している。(データ:高橋晋) 歴史 O'keefeとDostrovskyは、電気生理学的手法を活用してニューロンの細胞外電位を観察することにより、自由に行動しているラットの海馬から場所細胞を発見し1971年に最初の報告をした[1]。技術的には、field effect transistor(FET)を構成要素とするソースフォロワ回路をヘッドアンプとすることでノイズを低減し、それとワイヤ電極を組み合わせるという当時の最先端技術を活用することで、その発見は実現された。同時期にRanckらも同様の技術を使った実