出産事故で脳性まひとなった子どもに補償金を支給する「産科医療補償制度」で、事故原因の分析がまとまった支給対象14件のうち、陣痛促進剤の使用法や量が学会の指針を逸脱していた例が5件に上ることがわかった。 日本産婦人科医会は、近く全国の産科医に注意を呼びかける。同制度は2009年1月に始まった。医療側の過失の有無にかかわらず総額3000万円が支給される。支給対象のケースは専門家が個々に原因を分析し、報告書にまとめる。 今年10月までに支給が決まった86件中、報告書がまとまったのは14件。5件は、同会と日本産科婦人科学会の指針に照らし、陣痛促進剤の使用量が多すぎたり、投与間隔が短すぎたりした不適切な使用例だった。 原因分析にあたった医師によると、薬の不適切な使用が事故の直接的な原因となった事例はないが、日本産婦人科医会は「医療安全の観点から、指針を守ってもらう必要がある」とし、改めて注意喚起すべ