今年に入って止まっていたインターネットバンキング利用者の預金を他人の口座に不正送金する事件が夏になって「復活」し、6〜7月に34の銀行口座で約2950万円の被害が出ていたことが警察庁への取材で分かった。同様の被害は昨年3億円を超えたが、1月以降は沈静化していた。警察庁幹部は「世間の関心の高まりで様子見をしていた犯行グループが再び動き出したのではないか」と見ている。 警察庁によると、6月11日〜7月12日、都市銀行2行の34口座から、総額約2950万円が、中国人名義などの50口座に不正送金され、一部が現金自動受払機(ATM)で引き出された。1口座当たりの最高被害額は800万円。不正送金から引き出しまでたった9分間で行われたケースもあったという。 いずれも利用者からID・パスワードを盗み取り、口座にアクセスする手口。34口座中33口座は、金融機関を装ったうそのメールを送りつけ、偽サイトに誘